SSブログ

ビールのない国(アメリカ/ナバホ・ネイション) [飲み物]

ビール.jpg
※ワイキキのDuke'sにて、アロハな店員さんとオシャレなビールサーバ。

夫は大のビール好きで、休日ともなれば500m缶6本は軽~く空けてしまいます…。
ヨーロッパの方のように朝から飲むのも大好きで、昼食にもビールは欠かせません。
ビールの銘柄にもうるさく、発泡酒は100発100中で当てて、「発泡酒なのに
メニューにはビールと書いてあるお店は、他のものも信用できない」といいます。
ふだんはわりと大らかというか、優しいのですが、ビールに関しては相当頑なです。

そんな食事の仕方に慣れて10年。
お休みの日に、友達とランチしたとき「何か(アルコールを)飲む?」と聞いて、
爆笑されたことも^^;

一度、ケンカをしたときに、禁酒を言い渡したことがあります。
途中で「100m缶を1日に一缶ならいいよ…」と譲歩したものの、
日に日に元気を失い、笑顔がなくなっていく彼がかわいそうになり、
一週間もしないうちに禁止令を撤回(笑)。

アルコール中毒とまではいかないまでも、彼のビール狂いには呆れてしまいます。
しかも、飲めるのはビールのみ。ほかのお酒を飲むと、記憶が飛んでしまう変な体質。

そんな彼と5年前にアメリカへ旅行したときのことです。
ラスベガスを出発し、ザイオン国立公園→アンテロープキャニオン→モニュメントバレー→
グランドキャニオン→セドナを、2週間かけてぐるっと一周するプラン。
このあたりは地理が複雑で、今回のコースはネバダ・ユタ・アリゾナの3つの州に跨っており、
時差がありました。そしてその一部は、1つの独立国家にも等しい、ナバホという
ネイティブアメリカンのアメリカ最大の保留地でもありました。

旅の2日目の夜。
レイクパウエルに一泊し、ホテル併設のレストランで彼はいつものごとくステーキとビールを注文。
この夏は水不足でかなり水位が下がっていて、レイクパウエルに浮かぶ船が
どこか寂しげだったのを思い出します。

アンテロープキャニオン2.jpgアンテロープキャニオン3.jpg

翌日はアンテロープキャニオンで、水が作り出したという美しい自然の彫刻を見て驚嘆。
わりと忘れっぽい私は、ベルサイユ宮殿の作りはあまり覚えてませんが、
今でもアンテロープキャニオンの、あの美しい色と曲線、手触り、
歩いた一歩一歩の感触を忘れていません。

3日目の午後はモニュメントバレーへの移動。
車を100マイルで飛ばして3時間ほどで、Goulding's Lodge に到着。
モニュメントバレー国立公園内唯一の宿泊施設で、各部屋のベランダからは、
夕方と朝にはすばらしい景観を見ることができます。

モニュメントバレー2.jpg

さて、車を運転しっぱなしで疲れた彼が「ちょっと一杯飲みたいな~」というので、
夕食時でもあったし、ホテル併設のレストランへ。

しかしここで大問題が発生!
レストランにおいてあったのは、ノンアルコールビールが1種類のみ(確かクアーズ)。
タイトルや前振りで既にお気づきでしょうが、ナバホ保留地は、酒類禁制の地だったのです!!

しかし、時すでに遅し。
アンテロープキャニオンからはナバホ居留地です。しかもモニュメントバレーはナバホ保留地の
ほぼ真ん中に位置している・・・ということは、往復6時間かけないと、ビールが手に入らない!!

慣れないアメリカでの運転に疲れていたせいもあってか、
怒り狂い、発狂寸前の彼・・・これには本当に参りました・・・(涙)。
一日くらい我慢できないの?と思っても、これはもう彼の体質ですから仕方がありません。

しかも、トイレの水が詰まって部屋にまで溢れ出したり、モニュメントバレーの見学ツアーでは
行き違いがあり、ナバホの人を怒らせてしまって、恫喝まがいの罵倒を浴びせられ、
払うべきでないお金を取られてしまったり・・・レンタカーのエンジンオイルがなくなるという
ありえない事態で、途中のガソリンスタンドで足止めを食らったり・・・
とにかくナバホ居留地内では散々な思い出ばかり。

モニュメントバレー.jpg

もちろん、アンテロープキャニオンやモニュメントバレーはすばらしかったし、
ガソリンスタンドで車を修理してくれた愛想のいいナバホの男の子とか、
日本語とナバホ語の共通語をたくさん教えてくれたナバホのツアーガイドとか
(「耳」は「ミミ」とかね)、素敵な人にもたくさん出会いました。

ただ、どのレストランでも店でも、アルコール類をまったく置いてないっていうのは盲点でした。
事前に情報を知っていれば、気の持ちようも違ったのに!と情報収集の甘さを嘆きました。

ちなみに、ナバホは母系社会で主な仕事は女性の役割で、男性の社会的役割が希薄となり、
アルコール依存症になる者が多かったため、現在、ナバホの保留地内は酒類禁制なのだとか。

なお、アルコールの持ち込みも禁止されていますので、
ナバホ居留地へ行く際は、禁酒の覚悟をしていってくださいね。

ぜひ、美しい風景に酔って下さい。
nice!(0)  コメント(6) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 0

コメント 6

TICA

そんなにビール好きなんだ?(*o*)
だったらやはり一度はミュンヘンのオクトーバーフェストに行かねば!ってもう行ったことあるのかな?ワタシは去年行きましたが、それはそれはクレイジーでございました。ビールはもちろん激ウマ~だけど、まじで全てにスケールが違うのでビックリします(^^;)ゞ

ワタクシ、あれ以来すっかりヴァイスビアー党になりました。
by TICA (2009-05-03 00:33) 

YAP

ナバホ居留地はアルコールの持ち込みも禁じられています。
異国で捕まるようなことがないようお気をつけください。
by YAP (2009-05-05 19:11) 

Mulling

TICAさま

ヴァイスビアー美味しいですよね!
オクトーバーフェストは、憧れであります。
ビール好きのダンナには垂涎のイベントです。

誕生日が11月なので、いつもその時期に旅行をするのですが、
ちょっとずらして10月に行こうかなぁ。
ビール天国チェコ(ビールが激安!)と合わせて、近々行きます!

その時はアドバイスしてくださいね~!
by Mulling (2009-05-08 00:42) 

Mulling

YAPさま

確かガイドブックに書いてあったような気がして、
うろ覚えで書いてしまい、失礼しました。
改めて調べてみると、「持ち込みも禁止」と書かれてますね。
ご指摘ありがとうございます。修正しておきますね^^
by Mulling (2009-05-08 00:46) 

TICA

オクトーバーフェストは「オクトーバー」と言いつつ何故か9月なんですよね(^_^;)10月も3日くらいまではやってるけど。チェコビールも最高だし、是非是非、今年は秋に旅行してください~♪
by TICA (2009-05-14 14:27) 

Mulling

あら、オクトーバーフェストなのに、10月はたったの3日!?
それは9月にいかねば!!日も長めでいいかもしれませんね。
12月のドイツは4時過ぎには真っ暗でしたから。

海外旅行、行きたいなぁ。
でも、会社では今海外旅行がほぼ禁止・・・。
関西への出張も禁止!!戒厳令常態です。

早く収束するといいなぁ、新型インフルエンザ騒動。ふぅ(><)。
TICAさんの業界は影響ないですか??
by Mulling (2009-05-23 00:44) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。